金子みすず「星とたんぽぽ」

金子みすゞさんの「星とたんぽぽ」という詩を紹介します。

金子みすゞさんは、大正末期から昭和初期にかけて活躍した童謡詩人です。26歳という若さで亡くなるまでに、500余編の詩を綴りました。

その詩には、小さな生物から大いなる宇宙まで包み込むような慈しみに溢れ、ふだんは見過ごしてしまいがちなことに気づかせてくれるような優しさがあります。

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金子みすゞ「星とたんぽぽ」

星とたんぽぽ

青いお空のそこふかく、
海の小石のそのように、
夜がくるまでしずんでる、
昼のお星はめにみえぬ。
見えぬけれどもあるんだよ、
見えぬものでもあるんだよ。

ちってすがれたたんぽぽの、
かわらのすきに、だァまって、
春のくるまでかくれてる、
つよいその根はめにみえぬ。
見えぬけれどもあるんだよ、
見えぬものでもあるんだよ。

詩の鑑賞と解説

私たちは真昼の星や、散って枯れたたんぽぽに、目を留めようとはしないものです。

ところが星もたんぽぽも、そこに生き続けているのですね。

目に見えない優しさに生かされている。

私は「星とたんぽぽ」を読むたびに、目に見えない優しさに生かされていることに気づきます。

たとえば、毎日のように食べているゴハン。

お米はお百姓さんが汗水流して育てたものだし、さらには水や土や太陽によって育まれたものです。

ゴハンを頬張っているときは、お百姓さんの努力や自然界の恵みは見えないけれど、だからといって存在していない訳ではありません。

目に見えない優しさが数珠つなぎになって、日々の命の糧となっています。

金子みすゞの詩の魅力も、目に見えない奥深さにある。

「星とたんぽぽ」で描かれている星は、見えない宙に浮かんでいます。たんぽぽの根も、見えない微生物によって支えられています。

「星もたんぽぽも、見えなくてもある。」という風に終わらせないで、この詩の見えない部分に目を凝らしてみると、どこまでも命が繋がっていることに気づきます。

詩の本質も、書かれている言葉でなくて、書かれていない行間にあります。

金子みすゞの詩の魅力も、まさに目に見えない奥深さにあります。

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