【4月の詩】金子みすゞ「こよみと時計」

当ブログではこれからの1年間に毎月1編ずつ、その月にちなんだ詩を紹介する予定です。
4月は金子みすゞさんの、「こよみと時計」です。

こよみと時計

こよみがあるから
こよみを忘れて
こよみをながめちゃ、
四月だというよ。

こよみがなくても
こよみを知ってて
りこうな花は
四月にさくよ。

時計があるから
時間をわすれて
時計をながめちゃ、
四時だというよ。

時計はなくても
時間を知ってて
りこうなとりは
四時にはなくよ。

大正から昭和にかけて活躍した童謡詩人の金子みすゞさん。

西條八十からは「若き童謡詩人の中の巨星」と称されていたものの、26歳の若さで亡くなられてからは、しばらくその童謡は時代に埋もれたままでした。

ところが詩人の矢崎節夫さんによって発掘されてからは、瞬く間に多くの人に知られるようになりましたね。みごとな「よみがえり」を果たしました。

さて、金子みすゞさんのお誕生日は、実は4月なのはご存知しょうか。1903年(明治36年)4月11日です。

みすゞさんがこの世に生まれたことをお祝いして、4月が出てくるみすゞさんの詩を取り上げました。

花や鶏のような生物たちは、体内にちゃんと暦や時計を持っていて、その摂理のままに動いているのですね。人である私も、自分の中にある暦や時計の声に、耳を澄まして生きていきたいなと思います。

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誕生日・忌日が4月の詩人

※青文字の氏名をクリック(タップ)すると、その詩人の作品一覧を見ることができます。

誕生日

  • 金子みすゞ  1903年(明治36年)4月11日-1930年(昭和5年)3月10日
  • 中原中也  1907年(明治40年)4月29日-1937年(昭和12年)10月22日
  • 新川和江  1929年(昭和4年)4月22日-

忌日

  • 高村光太郎 1883年(明治16年)3月13日-1956年(昭和31年)4月2日
  • 三好達治 1900年(明治33年)8月23日 1964年(昭和39年)4月5日

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